夢想神伝流
四街道支部の居合道(古流)は「四街道支部の歴史」にもありますように「研修館の流れを汲む夢想神伝流」です。初伝(大森流)12本、中伝(長谷川栄信流)10本、奥伝21本(居業11本、立業10本)合計43本から構成されています。代々の支部長が研修館の門人で故檀崎友彰範士九段(夢想神伝流宗家)から直接指導を受けており、歴代の千葉県剣道連盟居合道部長である志道吉次先生、岸本千尋先生とは同門ということになります。研修館の居合の特徴は「ゆっくりと大きな技で行う」ことと「『事理一致』(‥理に適った技前であることを言います。)を重んずること」にあります。これを各自が稽古の中で体得していきます。
研修館道場訓
武道修行を志す者の心すべきは
師弟の道を尊び
長幼の序を辨え
禮節の尊厳を守るに在り
霊器日本刀を尊崇し
至誠以って師の教に従へ
流祖の本流を体し
正しい此の道に精進修得す
るを大事とす
森羅萬象に感謝の念を持し
謙譲の美徳を養え
斯道を通して健全な心身の
錬磨人格向上につとめ
完成の人と成るを期す
全日本剣道連盟居合
全日本剣道連盟の居合の型は、1966年(昭和44年)に全日本剣道連盟(全剣連)が制定した居合道の形(当時7本、現在は12本)で、作られた当初は剣道人のため居合道入門用の形として取り入れられ、現在では剣道人、居合道人を問わず、多くの方が学んでいます。居合道各流派の基本的な業や動作を総合して制定された経緯があり、全剣連居合、制定居合とも呼ばれます。
剣道理念
全日本剣道連盟の剣道理念は、「剣の理法の修練による人間形成の道」とあります。全剣連居合の理念もこれと同様のものとなります。
剣道に限らず、あらゆる武道がそうであるように、居合道も人としての正しい道を歩むための武道です。
古歌に見る居合道の精神
居合とは 人に斬られず 人斬らず ただ受け止めて たいらかに勝つ
【解説】居合修業の究極の目的は「敵を斬る」ことではなく「斬られない」ことであります。「戦っても勝ち目がない」と思わせるまで武徳を高める。「ただ受け止めて」は、精神的な心境を表現したもので、「敵の攻撃心に逆らわない」といった意味合いです。
いつとなく 己がこころに透(隙)なくば いかなる敵も 松風の声
【解説】自分の心に隙があるから敵が襲ってきます。常住坐臥、常に意識して心に隙を作らないように心掛けるべきという教えです。そうすればどんな敵に対しても松風の音でも聞くように受け流すことが出来るとされます。一脈「平常心」にも通じる心の持ち方です。
不器用も 器用もともに 実ありて 功がつもれば 道を知るべし
【解説】剣道・居合道修業には器用、不器用は関係ない。どちらも同じように上達するものであると古人は言っています。「自分は運動が苦手だとか上手い下手は考える必要が無い」ということです。
気は早く 心は静か 身は軽く 目は明らかに 業は激しく
【解説】心気力を鍛錬する居合道の稽古は段階に応じて変わっていきますが、この古歌にあるような姿を目標に稽古します。特に居合道の稽古においては「正→速→強→位」ということが言われます。